保健師は、保健所等で健康診断をしたり、個別に家庭を訪れて健康指導をしたりして、地域住民の病気予防や健康増進のために地域に密着した仕事をします。
看護師資格を持っていることが保健師の免許を取得できる条件とされるようになったので、看護師の知識を活かした上で、地域等に密着した保健師としての業務を行います。

保健師の活躍の場としては、公務員として保健所等の行政機関の施設に勤務する行政保健師がまずあげられます。
行政保健師は、都道府県の職員として保健所で働く場合と、市町村等の職員として地方自治体の保健センターで働く場合などがあります。
障害者、難病患者等への保健サービスの提供、SARSや新型インフルエンザなどの流行に対する危機管理などが主な業務です。
公務員であるため、該当する分野の公務員試験を受けることになりますが、求人が一般的に少ないため、行政保健師としての就職はなかなか難しいのが実情です。

企業の社員として、企業で働く労働者の健康管理を行うのが産業保健師です。
職場の衛生管理者と協力してこの業務に当たりますが、保健師1名で従業員1000名の健康管理をする場合もあり、その際の責任はかなり重いものとなります。
よって、企業も経験があって即戦力となる保健師を求める傾向があります。
また、求人先を決めている企業、欠員があった場合のみ募集する企業などが少なくないため、やはり就職は易しくはないでしょう。

学校等に通う児童・生徒・学生やそこに勤務する教職員の健康管理を行うのが学校保健師です。
小学校・中学校では、大学の教育学部等で養成された養護教諭が置かれていて、同様の職務を行いますが、養護教諭は、一般的に保健室などにいつもいる必要があります。
これに対して、学校保健師には臨機応変に対応し、看護師としての処置も行います。

 

【受験資格】
看護師国家試験に合格した者、または看護師国家試験の受験資格がある者のうち次のいずれかに該当する者。
1.文部科学大臣指定の学校で1年以上、保健師に必要な学科を修めた者
2.厚生労働大臣指定の保健師養成所の卒業者
3.外国の保健師学校を卒業または保健師免許を得た後、厚生労働大臣から1.または2.と同等以上の知識と技能を有すると認められた者

【試験日】
2月(年1回)

【受験地】
北海道、青森、宮城、東京、石川、愛知、大阪、広島、香川、福岡、沖縄

【試験内容】
地域看護学、疫学・保健統計、保健福祉行政論

【受験料】
5,400円

【問い合せ先】
各試験地の地方厚生局
厚生労働省医政局医事課試験免許室